![]() |
![]() |
![]() |
![]() |
指揮者アントンザイドルに贈られたティーセットアントンザイドルは、ウィーンオペラ座やリヒャルトワグナーハウスなど、ヨーロッパのオーケストラの主席指揮者を歴任し、1885年頃にはアメリカに招かれて渡り、ニューヨークフィルの主任指揮者になりました。(その後任はマーラー)。
特に、ドボルザークの新世界より、の名付け親であり、その初演指揮の評価が高かったことで有名です。
ツマミのフルーツも大陸風です。この時代独特の1−2人用セット。
ポットの断熱リングの象牙にひびが入っていましたので、新しく本象牙であつらえていただきハンドルもきちんと締めなおしして万全の修理をしました。蓋もきっちり締まります。
ポットは満水300ccですので、多めの一人用または少なめの2人用。210グラム。
高さ19センチ、差渡し16センチ、胴幅9センチ。
シュガーは朝顔型の独特の形。60グラム、高さ6センチ、差渡し12センチ、口径8センチ。
ミルクは胴飾りのレリーフが美しく、このセットでなくとも単品で活躍しそうです。55グラム、高さ9.8センチ、差渡し8センチ、胴幅6センチ。トレイは典型的なロココデザイン。幅23cm。220グラム。
いずれも同じオーストリア周辺800銀の刻印とメーカーズマークの刻印あり。
写真は現状で、シルバークロスで拭いた状態です。もっと黒ずみを取り除いて新品のようにしてお渡しをご希望の場合は、銀磨き用薬品を使ってクリーニング後にお送りします。このセットについては、かつてsilversilversilver(雑記のページ2001年7月)で詳しく述べ、アントンの写真も掲載しておりますので、そちらをご覧いただけますと幸いです。以下、このセットについてお客さまにメールで説明を差し上げた際の抜粋です。
=====================================
(前略)ドボルザークの「新世界より」初演カーネギーホール演奏でニューヨークフィルを指揮したハンガリー出身の指揮者、アントン・ザイドルです。
初演の熱狂的な反響があって、この曲の評価が定まった、と言われているそうです。
ドボルザークがこの交響曲を作曲した時、「新世界より」という副題を付けたら、と提案したのもアントンだったそうです。
アメリカに来る前には、ウィーン歌劇場音楽監督や、プラハドイツ劇場の主任指揮者を歴任して、その当時、ザイドルがそれぞれの主任指揮者をしている時の第二指揮者がマーラーで、ザイドルがアメリカ移住してからはじめてマーラーは主任指揮者になり、また、ニューヨークフィルの主任指揮者をアントンが辞めて後を継いだのもマーラーだった、と読んだ記憶があります。
つまり、マーラーは、ザイドルの後任をずっとずっと続けてきたわけです。
以前、ザイドルの写真を見て、うっとりしてしまいました。
アメリカ人は、オーストリア人に弱いようです。歴史では一番の中心地ですし、身のこなしも洗練されていたのかも知れません。
1930-40年代の映画界でも、フレッドアステアのスマートさは別格だったようですし、大陸ヨーロッパの人達は、反対に、アメリカの若若しさ、荒削りさに感じるものがあったのでしょう。私が聞きかじったのはこれだけです。ですが、先ほど確認したところ、我が家の「新世界より」CD解説にも、アントン・ザイドル初演指揮の記述があり嘘を書かずによかった、とほっとしております。
それにしても、ザイドル一家はその後、アメリカに定住したことが今回の処分からうかがえます。子孫はまだNYに住んでいるのでしょうか、NYでの処分競売だったそうです。
ウィーン歌劇場時代の記念にもらったこのティーセットを、大切に梱包し1885年頃NYに渡ったのでしょうに、115年経てば、物の居場所は本人の意思ではどうにもならない事がよく分かりました。それでも、賛辞と言うのは本当に面白いです。こんな面白い銀器との出会いが、またできたら良いと思います。(後略)